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中村 彰夫; 吉井 賢資
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.160 - 163, 2002/11
螢石型二酸化ウラン(UO)はネール温度(T)30.8Kの反強磁性体である。前報において筆者等は、UOにこれに固溶しないTiO(x=1.0, 1.5, 2.0)系を混ぜ、高温で熱処理すると、Tはほぼ一定のまま、UOの反強磁性が弱強磁性へと変化していく挙動を示すことを見いだした。本報では、この反強磁性(AF)→弱強磁性(WF)移行挙動への洞察を深めるために、対象をM=Nb, V, Si等を含むUO-MO多相系へと拡げ、磁化率測定,粉末X線回折,EPMA分析等を用いて、検討を進めた。その結果、シリカ(SiO)等のd電子を有しない絶縁体を含む多相系においても他系同様このAF→WF移行現象は見られることがわかった。これらの実験事実から、本現象は、MOと密に接触したUO表面近傍での反強磁性転移に伴う格子歪み(酸素変位)の機械的抑制により惹起されるのではないかと現時点では考えている。
中村 彰夫; 筒井 智嗣; 吉井 賢資
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 226-230(Part.1), p.876 - 878, 2001/05
UO(二酸化ウラン)は30.5Kのネール温度(T)を持つ反強磁性体である。これに2価、3価の異原子価陽イオンを置き換えさせたさまざまな固溶体系では、U間の反強磁性(超交換)相互作用が弱められるため、Tは一貫して低下し、最終的にはキューリー・ワイス型の常磁性体に変化していくことも良く知られている。これらの固溶体系とは違って、UOに固溶しないTiメタル及びTi酸化物:TiO(x=0, 1.0, 1.5, 2.0)とUOとの多相混合物系が高温熱処理により、T30.5~29.0Kとほぼ一定のまま、弱強磁性的なTでの磁化率()の増大を示すことを見いだしたので、その結果を報告する。この現象は相手方がTi酸化物系(TiO(x=1.0),TiO(x=1.5),TiO(x=2.0))の場合特に顕著であり、これらのTi酸化物との接触界面近傍でのUO自身の磁気的性質の変化によって生じるものと推測される。
吉井 賢資; 中村 彰夫
Journal of Solid State Chemistry, 155(2), p.447 - 450, 2000/12
被引用回数:86 パーセンタイル:95.4(Chemistry, Inorganic & Nuclear)クロム系ペロブスカイト酸化物LaPrCrOの磁性について調べた。結晶構造は、end compoundsのLaCrO及びPrCrOと同様の、斜方晶(Pnma)ペロブスカイト構造であった。本試料は260K近傍に弱強磁性転移を有し、帯磁率は220K近傍で正符号の最大値を示す。磁場中冷却測定において温度をさらに下げると、160K以下で帯磁率が負符号となる。これは、試料全体の磁化が外部磁場の方向と逆向きであることを表す。帯磁率は、試料を2Kまで温度降下させるとともに単調減少した。負符号の帯磁率の最大絶対値(2K)は、正符号のそれ(220K近傍)の30-60倍にも達した。この現象は、外部磁場が5000Oe以下程度のみで観測された。LaCrO及びPrCrOは、それぞれ280K及び240Kに弱強磁性転移を示すが、このような負の帯磁率は示されなかった。この現象の起源をLaVO及びCo[CoV]Oでの類似現象の機構と関連し推測した。